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2011年9月の転職求人倍率は1.25倍。2カ月連続で回復

2011年9月の転職求人倍率は1.25倍となり、2カ月連続での回復となった。3月の震災後、転職希望者が7月まで増加し続けたことと、中途採用を一時見合わせる企業が発生したために、2011年7月には転職求人倍率は1.11倍まで低下した。直近2カ月は転職希望者が減少に転じ、また求人数も増加したため、転職求人倍率は回復している(9月:求人人数前月比+2%/転職希望者数前月比-3%)。
特に、職種別の転職求人倍率を見ると、回復の幅が大きいのは「技術系(建築/土木)」と、「技術系(IT/通信)」の2職種である。「技術系(建築/土木)」においては震災復興需要の色合いが濃い。東北エリアのみならず全国的に震災関連案件を受託するケースが増えており、各社人材強化を進めている。「技術系(IT/通信)」の求人増加については、関東エリアを中心にスマートフォン(iPhone、Android)、ソーシャルアプリ関連の採用ニーズが高騰しているほか、特筆すべきキーワードは「開発拠点の地方分散化」である。大手ポータルサイト運営企業や大手ネット広告代理店などが大阪・福岡に新たな開発拠点を開設するにあたって、各地で数十名単位の採用活動を行っている。
今年いっぱいは企業側の採用意欲は積極的であると見られるが、世界経済の減速懸念が頭をもたげている今、来年以降の転職市場の不透明感が増している状況と言えよう。

業種別の転職市場動向

9月は、全業種において前月より転職求人倍率が上昇した。「メディカル」が2.94倍と最も高く、次いで「IT/通信/インターネット」(1.65倍)、「メーカー」(1.26倍)となった。

業種別の転職求人倍率
業種 2011年
7月 8月 9月
求人倍率 前月差 求人倍率 前月差 求人倍率 前月差
全体 1.11 ▲0.01 1.18 0.07 1.25 0.07
IT/通信/インターネット 1.37 ▲0.01 1.53 0.16 1.65 0.12
メディア 0.48 0.07 0.66 0.18 0.74 0.08
金融 0.73 ▲0.08 0.80 0.07 0.80 0.00
メディカル 2.97 0.11 2.91 ▲0.06 2.94 0.03
メーカー 1.03 ▲0.14 1.18 0.15 1.26 0.08
商社/流通 0.32 0.01 0.30 ▲0.02 0.33 0.03
小売/外食 0.54 ▲0.07 0.58 0.04 0.61 0.03
サービス 1.18 0.09 1.16 ▲0.02 1.19 0.03
その他 0.38 ▲0.03 0.46 0.08 0.47 0.01

※「転職求人倍率」は小数第三位を四捨五入。また、「転職求人倍率」の除数となる転職希望者数の業種(職種)については、希望業種(職種)ではなく直近の経験業種(職種)に準じている。

職種別の転職市場動向

職種別の転職求人倍率を見ると、9月は「技術系(メディカル)」が2.93倍と最も高く、次いで「技術系(電気/電子/機械)」(2.15倍)、「技術系(IT/通信)」(1.83倍)となった。特に転職求人倍率が大きく上昇しているのは、「技術系(建築/土木)」と、「技術系(IT/通信)」の2職種であり、いずれもそれぞれ前月より+0.16ポイント、+0.13ポイントとなった。

職種別の転職求人倍率
職種 2011年
7月 8月 9月
求人倍率 前月差 求人倍率 前月差 求人倍率 前月差
全体 1.11 ▲0.01 1.18 0.07 1.25 0.07
営業系 1.00 0.00 1.04 0.04 1.13 0.09
企画・事務系 0.66 ▲0.06 0.73 0.07 0.78 0.05
技術系(IT/通信) 1.57 0.09 1.70 0.13 1.83 0.13
技術系(電気/電子/機械) 1.98 ▲0.16 2.20 0.22 2.15 ▲0.05
技術系(メディカル) 3.05 0.15 3.02 ▲0.03 2.93 ▲0.09
技術系(化学/食品) 0.96 ▲0.06 1.05 0.09 1.10 0.05
技術系(建築/土木) 1.10 ▲0.04 1.33 0.23 1.49 0.16
専門職系(コンサルタント/金融/不動産) 0.85 ▲0.03 0.95 0.10 1.02 0.07
クリエイティブ系 0.75 ▲0.04 0.89 0.14 0.98 0.09
販売・サービス系 0.47 ▲0.03 0.50 0.03 0.52 0.02
事務・アシスタント系 0.59 ▲0.08 0.67 0.08 0.73 0.06

※「転職求人倍率」は小数第三位を四捨五入。また、「転職求人倍率」の除数となる転職希望者数の業種(職種)については、希望業種(職種)ではなく直近の経験業種(職種)に準じている。

DODA編集長の解説

2011年3月の1.30倍をピークに、7月にかけて転職求人倍率は低下していましたが、8月・9月と2カ月連続で大きく上昇に転じました。これは震災以降、7月まで増え続けていた転職希望者数がいったん落ちついたことを背景としています。一方で、企業側の採用ニーズに関しては引き続き増加傾向です。現在、欧州の債務危機、米国の雇用不安といった世界経済見通しにおける懸念要素が顕在化しつつありますが、リーマンショック後の2〜3年間中途採用をストップしていた企業にとっては、自然減となっていた社員数を補てんする目的や増産体制の確保という目的もあり、少なくとも今年いっぱい求人数は増えると見ています。
企業の採用ニーズのなかで、大きく増加しているのが「技術系(IT/通信)」および、「技術系(建築/土木)」の2職種です。 「技術系(IT/通信)」におけるキーワードは、「スマートフォン関連(iPhone、Android)」、「ソーシャルアプリ」、「開発拠点の地方分散化」が挙げられます。特に、「開発拠点の地方分散化」においては、大手ポータルサイト運営企業や、大手ネット広告代理店など複数社が相次いで大阪や福岡に開発拠点を開設することから、各社数十名単位での採用が行われています。現在関東にお勤めで、Uターン・Iターンを希望されるITエンジニアの方にとっては、今ほどうってつけのタイミングはないと言えるでしょう。
また、「技術系(建築/土木)」については、企業側のニーズを分類すると大きく3つに分けられます。(1)震災復興需要、(2)戸建住宅(新築・リフォーム問わず)の設計・施工管理職、(3)携帯電話用基地局の建設です。(1)に関しては、西日本から東北へ社員を動かした企業において手薄になった西日本で中途採用を強化するといった動きも見られます。  来年以降の転職市場の見通しとしては、世界経済の失速懸念の高まりとともに不透明な状況になっています。もし、「自分の仕事のフィールドを変えたい」という転職希望の方がいらっしゃるのであれば、求人が顕在化している今のうちに転職活動を開始しておいた方が良いでしょう。(DODA編集長 美濃啓貴)

転職求人倍率の定義

「転職求人倍率」は、DODA転職支援サービス登録者1名に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。算出式は以下の通りとなる。

転職求人倍率 = 求人数(採用予定人員)÷ 転職希望者数

【求人数】前月からの繰越求人数(採用予定人員)と、当月中に新たに登録された新規求人数(採用予定人員)を合算した数で算出。
【転職希望者数】前月からDODA転職支援サービスに継続登録している繰越登録者数と、当月中に新たに登録した新規登録者数を合算した数で算出。ただし、繰越登録者数に関しては、直近半年以内の登録者数を採用している。

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